国際離婚の原因

私の周りのフランス人は、離婚に対するハードルが相当低い。
考察するに、以下のような事が離婚を決意しやすい理由だと思う。

①国の補償が手厚いので経済的心配がさほどない。
②子供の親権は半々。
③恋愛に年齢制限がなく、相手に性的魅力を感じられなければカップルとして終わり。
④「情」よりも「愛」
⑤プライベートをの時間がたっぷりあるので考える時間もある。
⑥私生活を豊かにすることが何より大事。

私たちの離婚は③④⑤⑥が該当する。

③恋愛に年齢制限がなく、相手に性的魅力を感じられなければカップルとして終わり。
フランス人にとってセックスは人生において大変重要なコトだ。
彼も例外ではない。一方私は淡泊、むしろ嫌い。結婚当初からけんかの原因はたいていセックス。
週1回なんて信じられないそうだ。この頻度は彼曰くカップルとしてアラームが鳴っているらしい。
それでも、15年近く私に合わせてくれていたが、我慢の限界だったんだろう。
つまり、「もっとやりたい!」離婚の原因はこの一言につきるとおもう。

色々言葉を並べたところで、全てはここに帰結する。

④「情」よりも「愛」
愛=セックス、セックスが無い愛は情のみが残る抜け殻のような虚しい、形だけの結婚生活。

⑤プライベートをの時間がたっぷりあるので考える時間もある。
こいつとこのまま過ごしていっても、刺激的なセックスはできない。
浮気も面倒臭い。良いセックスができない女と一緒にいる意味は何だ?
昼休憩は2時間、残業ゼロ、年1/4はバカンス、潤沢な時間がありゃ人生を考える余裕もでてくる。

⑥私生活を豊かにすることが何より大事。
なんだかんだで生産性があるフランス人。1時間に1回カフェタイムでどこかに消え、ぺちゃくちゃしゃべりながらの短時間労働でも結構な収入。仕事は変われば変わるほどに経験を買われ給料があがっていく。仕事?辞めても失業保険で延々暮らしていける。嫌な仕事にしがみつくより、自分の生活をいかに楽しく意義があり、そして最高のセックスをするかが重要案件。

つまり、彼は違う女とセックスする人生をとった。
わたしが知らない間に。
わたしも呑気極まりないのだけど、帰国しだいぶたってから、ご丁寧に”私の誕生日”に報告があった。
「来月べべが産まれる。僕お父さんになります。」

この言葉がどれほど私を傷つけたか。計算すると私が帰国してからすぐにできた赤ん坊ということになる。
私は子供ができない体質だった。子宮系の病気持ちで、でもあきらめきれず不妊治療を行っていた。
ある時彼が言った「僕たちは親になるべきではないと思う。子供に伝える文化が無いから。だから治療を辞めたい」これは相当にひどい言葉だ。
彼の言葉を超訳すると、「君には子供に伝えられる教養も無いし、フランス語も使えていない。子供にいい影響を与えられるとも思わない。君との子供は持ちたくない。」という事だと感じた。

そこまで言われたのに何故その後も彼と暮らしていたのか。
私は根っからのばか。