幸せにしてくれる?

フランス

30代後半で生活が一変した。

日本でしか暮らしたことない人が、フランスだ。

東日本の地震があり、元夫がもう日本で暮らせないと判断し、

フランスに移住した。

その時も、考えたらひどい話だった。

彼はフランスに帰るの一点張り。

私に一緒に来てほしいとは、ついに言わなかったと記憶する。

私が、彼とずっと一緒にいなければと思って、ついていった形。

もしかしたら、彼はそこで私との縁が切れるかもしれないと少し期待していたのかな。

とも今思う。

彼はもうその時私を愛していなかった。

私はそれに薄々気づいていたけど、目をつぶって、耳をふさいで、フランスに飛び込んだ。

体は正直だ。

彼から必要とされていないのに、ドアtoドアだと24時間かかっちゃうような遠い所まで

のこのこやってきた。

まずは、日本で一度も罹ったことのない、膀胱炎になった。

一晩中悶え苦しんだ。

私の周りの日本人女子は渡仏してから、膀胱炎になる率が結構高い。

水が変わるからかな?

その後、これまた発症したことのない、副鼻腔炎。

まあ、蓄膿症の家族みたいな?

口でしか息ができない!

これまじで辛かった。

寝れないし、なんか集中力も絶え絶えで、

いつにも増してフランス語が頭に入ってこない!

鼻母音はうまかったかも。

それ以外にも、いつもうすーく体調が悪い。

将来の不安とか、当時の夫との関係とか、ブルーな気持ちが影響して

ばんばん体に出ていた。

そして、痩せた。

日本からフランスに行くと、太る人が多い。

でも、私は痩せた。

当時彼の家族と暮らしていたことも

あって、精神的に休まる場所がなかった。

皆はそれぞれ忙しそうにしている。

私は、何もできない。

言葉もまったくわからない。

外になんか出たくない。恐い。

重荷だよね、元夫も。

私は、被害者みたいな気持ちでいたんだと思う。

あんたが、フランスに帰るっていうから、私は家族、仕事、友達を

捨てここまで来たんだろうが!

もっと、優しくしろー!

もっと、こっちを見ろー!

もっと、もっと、、、とずっと求めていた。

自分から与える努力なんて1ミリもしていなかった。

私が自分で決めたことなのに、全部人のせい、地震のせいにしていた。

誰かに幸せにしてもらうなんておこがましい。

まずは自分で自分を幸せにする。

それから余った分で誰かを幸せにする。

彼はよく言っていた。

ほら、飛行機に乗った時非常事態の場合の説明するでしょ?

お母さんと、小さな子供が座っていて、緊急事態の時

天井から酸素ボンベが出てくるやつ。

あれ、まず、お母さんは自分のボンベをつけてって言われる。

それから、子供のをつけてあげてくださいって。

それはね、まず自分がしっかりしないと、子供も助けられないから。