「スナフキンみたいな人ですね」
と言われたことがある。
20代前半の時に。
そう言わせた私は自己プロデュース
が完璧だったわけだ。
私は当時、根なし草よろしく
ふわりふらりと流れて生きていくことが
かっこいいと思っていた。
それがスナフキンと例えた彼の表現と
合っているのかわからないけど、
なんとなくそんなイメージでしょ?スナフキンて。
学生時代は1カ月くらい東南アジアを一人で
旅してみた。
孤独とホームシックをずっと抱えながらの
旅だった。
私は、行きたいところにふらっと行って
やりたくない事はなるべくしない。
そういう生き方がきっと素敵なんだろう
って思っていて、その想いが
言動に滲み出ていたのかもしれない。
そして今私は、うって変わって、
地にしっかり根を張ることに憧れている。おそらく。
もっと言うと、本当は若い時からそうで、でもそう思う
自分がダサくて、そんな自分を打ち破ってやる!
とじたばたしていたんだ。
あの時に、素敵だなって思っていた浮雲人生。
私は今ふらふらとした人生を歩いている。
浮雲人生に限りなく近い人生だ。
どうやって、あの時に憧れた人生に近づけたか。
何のことはない
私は、しっかり地に根を張ることは
できない星の下にうまれた。
浮雲になるしかないのだ。
本当はね、何代も前から、その地に住み
幼馴染や親戚もたくさん近所にいて
みたいなやつ、あれが実に羨ましい。
スナフキンの真逆だよね
でも今からその理想を追求することは
できないのだから、私は、その時その時で
安住の場所を造っていくしかないのだ
住めば都を私は何度も体感しているから
大丈夫。
旅行から帰る時は、どこに家があろうとも
いつも、お決まりの例のあれ、
「やっぱ家が一番だよな~」
って湯舟につかりながらつぶやくタイプ
私がいるところが、マイホームタウン
それでいいやないの