親の老いを受け入れて、親を「老人」としていたわる
人はすごいと思う。
母はどこから見ても老人なのだけど、
全然その事実を認めず
すごく厳しく接してしまって、
しっかりしてよ!と口に出してしまう
これ以上ボケられたら、たまんない。
その私のエゴのせいで彼女に辛くあたってしまう
年をとるのなんて当たり前なのに。
私は母の事でわだかまりがあり
それをまだ消化できていない。
それも彼女に優しくできない理由のひとつかもしれない。
父は単身赴任でほとんど家にいなかった。
母はしょっちゅう夜どこかに出かけていた。
今となればわかるが、男のところだ。
夜中目が覚めると母がいない。
それは幼い私には恐怖だった。
いつものことなのに、今日もし帰ってこなかったら
どうしよう、って。
母は離婚すると、ある男と付き合った。
やがて、母との関係がうまくいかなくなったのだろう
その男がストーカーに変わった。
昼夜問わず電話してくる。
家に何度もやって来る。
母が家から出てこないと、
車のクラクションをずっと鳴らし続ける。
とにかく怖かった。
大きな男だった。
文章にすると、多少奔放な女性で、
たまたま付き合った男が、変な奴だった。
チャンチャン
なんだけど、幼い私にとってはチャンチャンとは
いかない。
母がなぜ変な男に引っかかるのか、
そして、私と妹の生活にまで影響を及ぼしてくる
ことが嫌だった。
そのろくでもない男にも、母にも嫌悪感を抱いていた
と思う。
その男は長年私達を苦しめた。
ストーカーという言葉がまだない時代、
気味の悪い男の陰に毎日おびえていた。
何十年もたっているのに、私はその時の不幸を
母のせいにしている。
徹底的に母が悪いと思っている。
時が解決するかと思っていた。
実際、それは正解だ。
じゃなきゃ、人間生きていけない。
でも、心のどこかにまだゴリッとした
何かが残っているのだ。
母とそのことについて話したことはない。
そのことだけではない。
私は母と腹を割って話したことがない。
ふたりとも、大事な話というのは
避けてきている。
母の離婚の理由を知らないし、
私の離婚の理由も話していない。
いまさら母とおなかの中のもの
全部さらけ出して話すなんてことは
できないし、したくもない。
でも、なんとなく冷たい関係なんだろうな
と思う。
それもこれも、元義母と元夫との関係が
すごくよくって、彼らの関係と私と母の
関係を比較してしまうからかもしれない。
他を知り、我を知る。
そういうことだ
えっと、何の話だっけ
母に優しくしたいけどできない
色々理由づけしてきた。
だけど、、、
あくまで仮定だけど、
私の少女時代の一部が母のせいで不幸せだった
と思っていてその仕返しを、今しているんじゃないか
だとしたら私は悪魔だ